
セミナーのアンケート結果案内
第12回 セミナーでのご質問について回答します(8/30まで掲載)
【ご質問内容】
ドラマティックリリーフでは、健康でない行動を続けることの危険性などを伝えるとありますが、健康行動を続けることのメリットや、他の類似事例の患者さんの成功体験を伝えるなどのアプローチではだめなのでしょうか?もちろん、不健康な行動を続けた場合のリスクは伝える必要もあると思うのですが、事例の患者は運動療法を見直したいという思いがあったので、その思いを尊重できるような関わりの方が良いのではないかと思いました。
【田中先生からのお返事】
ドラマティックリリーフとしては、様々な文献を確認しましたが、対象者にとって危険性を認識してもらう方略として記載されています。今回ご紹介したトランスセオレティカルモデル(多理論統合モデル)は、第二部のスライドで少し触れましたが、意思のバランスとしてコンズ・ブロズを認識し行動変容を促すような「健康信念モデル」の理論や、自己効力感を強化して行動変容を促す「自己効力理論」も含んでいます。今回は時間の都合上、トランスセオレティカルモデルの中心的構成要素である「行動変容ステージ」および「行動変容を促進する10のプロセス」をご説明し第三部で症例検討に活用していただきました。
質問の「健康行動を続けることのメリットや、他の類似事例の患者さんの成功体験を伝えるなどのアプローチ」はとても素晴らしい支援方法だと思います。この支援は、ドラマティックリリーフと言うよりは今回のセミナーで私がご説明していない支援方法に当てはまるように感じました。「健康行動を続けることのメリット」はブロズをより強く認識できるようになる支援ですし、「他の類似事例の患者さんの成功体験を伝える」はA氏が「自分も運動継続できる」と自己効力感が強化される支援だと感じました。またトランスセオレティカルモデルにおいて自己効力感を強化する支援は、行動変容ステージ各期において有効な支援として文献に記載されており、A氏にとって有効な支援だと思われます。ご質問をいただくことで、私も再度文献を紐解き学習することができました。
これからも皆様と共に対象者に適した支援が実践できるよう精進いたしますとともに、皆様のご活躍を願っております。ありがとうございました。








